日本人の住みたい国ランキングで長年上位をキープしている国が、マレーシアです。
多民族・多宗教・多言語国家であるため、様々な生活様式や文化が混在しています。
マレーシアに移住している日本人は既に多く、日系企業の事業拡大先としても有力です。
そこで今回は、マレーシアのインターネット環境やSNSの使用状況を紹介し、海外進出の際のSNSマーケティングのコツを解説します。
マレーシアという国に興味のある方や、海外のインターネット・SNS事情に興味のある方はぜひ参考にしてください。
マレーシアのインターネット事情
まず、マレーシアのインターネット周辺事情を紹介します。
ここでは、We Are SocialとHootsuiteによる「Digital 2021」のデータを参考にしましょう。
インターネット利用者数
マレーシアの総人口は3257万人で、ASEAN加盟10カ国の中で人口ランキング6位です。
規模はそれほど多くありませんが、前年と比べても人口は増加傾向にあります。
その中で、インターネット利用者は2743万人と、総人口の84.2%を占めます。
インターネット利用者も前年より2.8%増え、他国同様インターネット社会が拡大中です。
スマートフォン普及率
マレーシアのモバイル接続は3999万で、人口比122.8%です。
また、16歳から64歳のインターネットユーザーの99.2%が、スマートフォンを所持しています。
これはほとんどのマレーシア住民が、スマホを通してインターネットを利用していることを指し、非常に高いスマホ普及率と言えるでしょう。
タブレットの普及率も32.3%と高水準です。
インターネット使用時間
インターネット利用者のインターネット平均使用時間は、1日あたり9時間17分です。
1日の3分の1以上の時間をインターネット利用に費やしているという点で、マレーシアはネット大国と考えられます。
テレビをはじめとする他のメディアに費やす時間も、1.5~3時間と長いです。
インターネットブラウザシェア
マレーシアのインターネットブラウザシェアは、Google Chromeが74.7%と圧倒的に大きいです。
アクセスボリュームの大きいウェブサイトには、Google.comやYoutube.comの他に、Shopee.com.myやMalaysiakini.comなどが挙げられます。
Shopeeは東南アジア最大級のECプラットフォームで、コロナ禍でも成長を続けています。
また、Malaysiakiniとはマレー語・英語・中国語・タミル語で発信されているオンラインメディアです。
オンラインコンテンツ使用状況
インターネットを通して、最も消費されているコンテンツはオンラインビデオで、インターネットユーザーの98.1%が視聴しています。
他にも、70.9%が音楽ストリーミングサービス、54.5%がVlog、49.4%がオンラインラジオを利用しています。
マレーシアで人気のSNS
では、マレーシアにおけるSNSの使用状況をチェックしていきましょう。
SNSユーザー層
マレーシアのSNSユーザー数は2800万人で、総人口の86%を占めます。
SNSユーザーは前年と比べて7.7%増加しました。
SNSを利用する際、携帯からアクセスしている人の割合は99.4%です。
外出先で気軽に利用するためには、SNSアプリのモバイル版が欠かせません。
SNSユーザーは25~34歳の男性が最も多く、19.7%を占めます。
次に多い世代は18~24歳の若年層です。
全体的に女性よりも男性のユーザーが多い傾向があります。
ソーシャルメディアの1日あたりの平均使用時間は3時間1分で、インターネット利用の約3分の1はSNSに当てられていることになります。
人気のSNS
マレーシアのインターネットユーザーの93.7%がYouTubeを利用しています。
多民族国家であるため、YouTubeの人気コンテンツの傾向や言語も幅が広いでしょう。
また、マレーシアで圧倒的な人気を誇るSNSがFacebookです。
Facebookで広告がリーチすると考えられる人口は2400万人で、総人口の92.5%に及びます。
日常生活の共有だけでなく情報収集目的での使用も多いため、大手企業はFacebookのタイムラインに記事を投稿したり、広告を出したりして、集客アップを図っています。
チャットアプリとしての汎用性が高いのが、WhatsAppです。
個人間のコミュニケーションツールとしてだけでなく、日本のLINEのように企業の公式アカウントを作って情報発信するケースも見られます。
マレーシアでSNSマーケティングを成功させるポイント
マレーシアでSNSマーケティングを成功させるポイントを以下に紹介します。
ターゲットを明確にする
多民族国家のマレーシアでは、民族ごとに言語・宗教・文化・価値観・生活様式などが異なります。
中国語・マレー語・ヒンデゥー語など言語ごとのセグメントや、イスラム教・仏教・ヒンデゥー教など宗教ごとのセグメントを図り、ターゲットを定めましょう。
ターゲットが定まったら、宗教上のタブーや文化的特性に注意を払ったマーケティング戦略を立てます。
ショッピングモール文化に着目する
マレーシアには、大規模なショッピングモールが多く存在し、人々の生活に根付いています。
ショッピングモール内の店舗と連動したSNSの広告配信や、過去の位置情報を活用したターゲティング広告が効果的です。
事例
実際にマレーシアで取り組まれているSNSマーケティングの事例をチェックしましょう。
インスタグラムのストーリー広告
Velvet vanity cosmeticsでは、多民族国家ならではのマレーシアに合わせ、マレー系・中華系・インド系の3人のマレーシア人を、インスタのストーリー広告に起用しています。
ターゲットをあえて絞らず、どんな属性の人でも興味が持てるような広告になっています。
異なる文化や価値観を尊重したSNSマーケティング
今回は、マレーシアにおけるインターネット・SNS事情を紹介しました。
多民族国家のマレーシアでビジネスを成功させるためには、異文化理解が欠かせません。
プロの海外支援サービスを利用して、その国に合ったSNSマーケティングを行いましょう。
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