日本から約4000km離れたインドシナ半島に位置するベトナムは、数多くの少数民族からなる多民族国家です。
在日ベトナム人・在ベトナム日本人も多く、両国は友好的な関係を築いています。
IT技術や輸送手段が進歩する中、実際多くの日系企業がベトナム進出に意欲的です。
そこで今回は、ベトナムにおけるインターネットの使用状況・スマホ普及率などを確認しながら、ベトナムでのSNSマーケティング成功のコツを解説します。
ぜひ、自社のベトナム進出のヒントを探してみてください。
ベトナムのネット事情
高い経済成長をみせるASEAN参加国のベトナムでは、インターネットの利用状況はどのようなものでしょうか。
ここでは、We Are SocialとHootsuiteによる「Digital 2021」のデータを元に、インターネット利用者数や使用時間などを見ていきましょう。
インターネット利用者数
ベトナムの総人口は9775万人と、ASEAN諸国中3位の多さです。
インターネット利用者数は6872万人で、総人口の70.3%を占めます。
前年に比べ総人口は+0.9%と増加傾向で、インターネットユーザー数も0.8%増えています。
スマートフォン普及率
ベトナムの携帯接続は1億5440万で、人口比157.9%と高い割合を記録しています。
16歳から64歳のインターネット利用者の94.3%がスマートフォンを所持しており、ベトナムのスマホ普及率は高いと言えるでしょう。
また、パソコンの所持率は66.1%、タブレットの所持率は31.9%です。
インターネット使用時間
インターネット利用者の1日あたりの使用時間は、平均6時間47分です。
中でも、携帯を通したインターネットの利用時間は3時間18分と長く、インターネットの利用ツールとして携帯がメインで使われていると考えられます。
また比較対象として、テレビの視聴時間が2時間40分、プレス・メディアを読んでいる時間が1時間57分です。
インターネットブラウザシェア
インターネットを使用する際のブラウザシェアは、Google Chromeが63.7%で最も高いです。
次にSafariが14.5%、Microsoft Edgeが2.9%、Firefoxが2.8%と続きます。
頻繁にアクセスされるウェブサイトとして、Google.comの他に、VnExpress.netと呼ばれるベトナムのオンラインニュースサイトや、24h.com.vnなどが挙げられています。
オンライン検索ツール
オンライン検索では、従来型の検索エンジンツールが98.8%と依然として多く使われています。
ただし、SNSをメインの検索ツールとして利用したり、音声検索や画像認識ツールを使っていたりするケースも増加中です。
Google検索では、「Phim(映画)」が最も検索される他、「XSMB」や「XSMN」などの宝くじに関するワードが頻繁に検索されています。
ベトナムでは宝くじ人気が高く、街中でも宝くじの販売員が多く見かけられるようです。
オンラインコンテンツ使用状況
16歳から64歳のインターネット利用者の中で、ネットを通してオンラインビデオを視聴している人は97.6%にも及びます。
つまり、ネット利用者のほとんどがオンラインビデオを日常的に視聴しているということです。
さらに、73.2%の人が音楽ストリーミングサービスを、61.2%の人がVlogを視聴しています。
また、携帯やパソコン・タブレットでゲームをプレイしている人は92.1%と多く、特にスマホでのゲームプレイは85%と人気が高いです。
ベトナムで人気のSNS
場所や時間を超えて世界中の人と繋がれるSNSは、日々新たなアプリや機能が開発され、トレンドを作っています。
ここでは、ベトナムのSNS事情を見ていきましょう。
SNSユーザー層
ベトナムのSNS利用者は7200万人と、総人口の73.7%を占めます。
前年からの1年間でユーザーは700万人増え(+10.8%)、増加が顕著です。
SNSユーザーの98.8%が携帯からアクセスしており、今後もスマホの普及につれてSNSユーザーが増加すると考えられます。
SNSユーザー層は25〜34歳が最多で、次いで18〜24歳が多いです。
SNSの普及において男女に大きな差は見られませんが、高齢になるにつれてやや男性比率が高くなる傾向があります。
また、SNSの平均利用時間は2時間21分で、55.9%のユーザーがビジネス目的でSNSを使っているというデータも見られます。
人気のSNS
ベトナムでは以下のSNSが人気です。
YouTube
世界各地で利用されているYouTubeは、ベトナムでもSNS人気が1番高いです。
YouTubeの検索傾向によれば、映画や音楽などのエンタメ要素が強く、「DORAEMON(ドラえもん)」や「ONE PIECE(ワンピース)」などの日本アニメが人気であることが分かります。
ベトナムで、YouTubeと同程度で人気のSNSがFacebookです。
ニュース記事や時事問題にまつわる投稿の拡散が多く、情報収集ツールとしての利便性が高いと考えられます。
一方で、自身の近況報告の場としてブログや日記のように使う人も多いようです。
また、Facebookと併用してInstagramを使う人も多く見られます。
ZALO
ZALOとは、ベトナム発祥のモバイルメッセージアプリです。
チャットや音声メッセージ・電話・ビデオ通話機能の他に、タイムラインの投稿ができるなど、LINEとFacebookを混合させたようなSNSです。
交通チケットやホテル予約などのショッピング、ネットバンキング、行政関連の手続きも行え、ベトナム人のライフラインとして利用されています。
ベトナムでSNSマーケティングを成功させるポイント
では、ベトナムでSNSマーケティングを行う際、戦略決定で大事なポイントを紹介します。
ベトナム文化を尊重する
ベトナムは家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、愛国心が強い国と言われています。
SNSマーケティングの際は、英語ではなくベトナム語を使用するなど、ベトナム文化や価値観を尊重した戦略が重要です。
Facebookを最大限利用する
今日、日本ではInstagramやTikTokの利用が目立ちます。
しかし、ベトナムではFacebookの利用度が圧倒的に高いです。
Facebookの拡散力を期待して、Facebook投稿キャンペーンを打ち出したり、Facebook上の広告に力を入れるのが効果的でしょう。
ZALOに注目する
コミュニケーションツールとしてだけでなく、決済やショッピング・行政手続きなど日常生活にまで溶け込んでいるZALOは、ベトナム進出では目が離せません。
実際に、ベトナムのコカ・コーラ社は、ZALOを利用したマーケティングで売り上げが向上したと言われています。
日系企業の進出でも、ZALOの活用が成功のカギとなるでしょう。
ベトナム文化を大事にしたSNSマーケティング
いかがでしたでしょうか。
今回は、ベトナムのインターネットやSNS利用状況を紹介しました。
ベトナム特有のSNSの傾向をお分かりいただけたかと思います。
海外進出の際は、その土地の文化や価値観に関する専門知識が欠かせません。
海外進出支援サポートを利用して、ベトナムで事業を成功させましょう。
おすすめ記事
日本と海外マーケティングの違いとは?ビジネス機会を得る上で知りたいこと
アプリを海外でプロモーションする際に考えておきたいこととは?
海外SNS運用をする際に知っておくべき海外企業のSNSマーケティング事例
ベトナム海外SNS