各企業でアプリ運用が開始されていますが、アプリマーケティングに注力すると、どのような効果が得られるのでしょうか?また、実際にアプリマーケティングは、どのように行うものなのでしょうか?ここでは、アプリマーケティングを行う上での企画・公開・運用・分析までを徹底解説します。
アプリマーケティングの必要性
さまざまな企業がアプリ運用を始めていますが、なぜ、アプリマーケティングが注目を集めているのでしょうか?ここでは、アプリマーケティングの必要性について解説します。
スマホの普及率のアップ
内閣府の消費者動向調査によると、2020年のスマートフォン普及率は84.4%となっています。2018年度には、スマートフォンの普及率はパソコンを上回りました。そのため、集客数や売上アップを狙うには、スマホ向けの対策を考えていかなければいけないのです。
アプリの利用率の増加
視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタル株式会社の調査によると、スマートフォンの平均利用時間は3時間46分で、利用時間の92%がアプリということが判明しました。アプリ利用率は、メディア視聴時間にも貢献しているため、アプリは大きなビジネスチャンスをもたらしていることが分かります。
補足:ユーザーの囲い込みができる
スマートフォンの普及率は8割を超えて、場所を選ぶことなく使用できるため、スマホでアプリを利用する頻度が高まってきています。そのため、アプリマーケティングを行えば、ユーザーの囲い込みも可能です。既存顧客に対しては、プッシュ通知でキャンペーン情報を配信すればリピート利用の促進ができるでしょう。また、新規顧客に対しては、初回に使用できるクーポン配布などして購買促進が狙えます。
アプリマーケティング-企画-
アプリマーケティングの必要性について理解して頂けたかと思います。そのため、実際にマーケティング方法について学んでいきましょう。ここでは、企画の立案方法についてご紹介します。
目的を設定する
アプリマーケティングの企画段階では、ターゲットを定めることが大切です。自分で考案したアプリが良案だと思っても、誰に使用してもらうかのターゲットを定めなければ浸透していきません。そのため、ターゲットを定めて、どのような利便性があるアプリなのかを検討していく必要があります。ユーザーの立場になり、アプリの目的を設定することが大切なのです。
競合のアプリを調査する
アプリを企画する際は、競合のアプリを調査しましょう。競合のアプリのダウンロード数やアクティブユーザー数などを調べることで、どれだけアプリで効果が得られるかを測定することができます。競合のアプリ調査は、App Apeなどのアプリ分析ツールを使用すれば分析が行えます。
基本設計について理解を深める
アプリ開発前に、綿密に基本設計を行うことが大切です。画面構成や画面推移、機能などを簡単なラフ案で構わないので作成しておきましょう。ラフ案を用意しておけば、アプリ開発会社との相違がなくなります。
アプリマーケティング-公開-
自社アプリ開発後に即リリースができて集客に成功するわけではありません。アプリを公開する際は、多くの人に認知してもらうための施策があります。
ストアに公開する
アプリ開発後に即リリースができるわけではありません。アプリをリリースするために、ストア申請の手続きが必要です。iPhone向けのアプリなのか、Android向けのアプリかでもストア申請の手続きが異なります。また、開発したアプリに問題があれば、申請却下されることもあることを考慮しておきましょう。
ASO対策をする
ASO(App Store Optimization)は、アプリストア最適化と訳されて、自社アプリをストア内の検索結果の上位に常時させる対策方法のことをいいます。アプリのダウンロード数を増やすためのアプリマーケティングの中でも、広告料金をかけずにユーザーを獲得することができる最も定番な手法です。
OSアップデートに対応させる
アプリはiOSやAndroidのOS上で動いているため、OSのアップデートに対応する必要があります。通常のOSアップデートでは、インストールされているアプリは問題なく動作しますが、古い仕様に関してはサポート対象外となります。
例えば、iOS11へのアップデートでは、32bitアプリがサポート対象外となり、18万本以上のアプリが使用不可能となりました。このような状態を招くとダウンロードしてもらえなくなるため、OSアップデートに対応させた仕様にしましょう。
アプリマーケティング-運用
アプリ公開後は、多くのユーザーにダウンロードしてもらうために適切な方法で運用して認知度を高めていきます。
プッシュ通知
プッシュ通知とは、キャンペーン情報や新商品情報など、アプリが自動的にお知らせを表示する機能です。例えば、LINEの新着メッセージがホーム画面に表示されますが、これが「プッシュ通知」です。
セグメント配信
プッシュ通知をユーザーの属性やアプリ起動数別などでグルーピングして、セグメント配信することで集客効果を高めることができます。アプリ側でユーザーの性別やお住まいの地域を絞り込みできるため、ターゲット層に的確に情報を届けることができます。
チェックインポイント
アプリ登録会員が、店舗来店したことをGPSなどの位置情報検知器を使って把握し、来店ポイントを付与することができる機能がチェックインポイントです。自社アプリにチェックインポイントを追加するためには開発が必要になりますが、ツールの選び方次第では、意外と簡単に搭載することができます。
来店促進の対策をする
スマホアプリは、他にもスマホ決済と連動させたり、モバイル会員証を発行させたりすることで来店促進を高めることができます。来店者にはスタンプを発行するなど、来店促進に繋がる対策を練りましょう。
アプリマーケティング-分析-
アプリ運用後は、効果が見込めているのか効果測定しなければいけません。アプリ運用に関しては、下記のKPIを指標にして効果測定を行いましょう。
ダウンロード数
アプリの需要を把握できる指標としてダウンロード数が挙げられます。ダウンロード数がどれぐらいかはアプリの効果測定を行うために重要な指標といえるでしょう。また、アプリを継続的に利用してくれるユーザーがどれぐらいの割合存在するかも推移を確認して把握できます。
アクティブユーザー数
アプリがダウンロードされても、定期的にアプリが活用されているとは限りません。配布したクーポンのみを利用した後にアプリが活用されていないというケースも多いです。そのため、アクティブユーザー数も把握するようにしましょう。
アクティブユーザー数を把握するためには、1日の利用者数、1週間の利用者数、1ヵ月の利用者数で管理していき比較するようにしましょう。
ストア内の評価値
アプリ利用者は、ストア内でレビューを残すこともあります。レビューを確認すれば、アプリのどのような点に魅力を感じたか、どのような点に不満を感じたかを確認することができます。
レビューを参考して、サービス改善をしていくことでストア内の評価値を上げていくことができ、ダウンロード数を伸ばすことができるでしょう。
アプリマーケティングの成功事例
アプリマーケティングの企画・公開・運用・分析まで解説しましたが、実際にアプリマーケティングに成功した企業事例も参考にしてみてください。ここでは、実際にアプリマーケティングで成功している企業事例をご紹介します。
JapanTaxi
(出典元:App Store)
JapanTaxiは「Google Play ベストアプリ2018」を受賞して、シリーズ累計で600万ダウンロードされています。全国47都道府県・約7万台のネットワークを保有しているため、アプリで乗車場所を指定すれば、配車することが可能です。
また、タクシー代は降りる際に時間がかかることもありますが、事前にネット決済しておけば、追加料金がかかる心配もありません。アプリは多言語化も行えます。口コミで便利なアプリと評判が広まり、多くのダウンロード数に成功しました。
Domino’s App
(出典元:App Store)
Domino’s Appは、ドミノピザジャパンが提供しているアプリです。GPS機能を使用した宅配サービスアプリのため、自宅ではなくて外出先にもピザを届けてもらうことができます。住所などを入力しないで済むため、便利だと多くの方が利用しており、5億円以上の売上増に成功しました。
無印良品
(出典元:App Store)
無印良品は「MUJI passport」のアプリ運営をしています。アプリには、チェックインポイント機能が搭載されていることで話題を集めましたが、店舗に来店するごとにポイントやクーポンを獲得することができます。顧客にベネフィットを用意することで、高い支持を獲得しているアプリですが、顧客行動の分析としてもアプリが利用されているのです。また、SNSマーケティングも開始し、顧客とのつながりを意識したマーケティングに取り組まされています。
まとめ
今回は、アプリマーケティングの魅力について解説しました。約8割の方がスマホを保有するようになり、1日3時間程度スマホを利用しています。また、スマホの利用時間の大半を占めるのがアプリなのです。そのため、アプリ運営を始めることで、ユーザーの囲い込みが行えます。これからの時代のマーケティング方法として、アプリマーケティングは見逃すことができません。そのため、これを機会にアプリマーケティングを検討してみてください。
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