無印良品やZOZOTOWNを利用する約1割のユーザーが、Pinterest(ピンタレスト)からの流入です。Pinterestは、FacebookやInstagramと比較すると国内で認知されていませんが、どのようなツールなのでしょうか?実は、PinterestはECサイトとの相性が非常に良いため、ECサイト運営者は必ず利用するべきツールなのです。
この記事では、Pinterestマーケティングの魅力と成功するための運用方法について分かりやすく解説します。ぜひ、Pinterestの活用を検討している方は、この記事を参考にしてみてください。
Pinterest(ピンタレスト)の特徴
Pinterestマーケティングを施策する企業が増えていますが、そもそもPinterestとは何なのでしょうか?ここでは、Pinterestの特徴について解説します。
Pinterestとは
Pinterestは、ビジュアルブックマークツールです。FacebookやInstagramなどのSNSは、過去の出来事をアップして、友達とコミュニケーションを図るためのメディアです。その一方で、Pinterestは、未来の自分のために使うツールとなります。
例えば、旅行計画を立てる際に観光スポットの写真を収集したり、DIYの施行事例の写真を収集したりするという形で情報収集のために使うツールなのです。自分で撮影した写真をアップするよりも、参考にしたい写真を収集するために使われます。
Pinterestのユーザー数
DAGIDAYの調査によると、Pinterestの国内ユーザー数は530名にのぼります。日本国内のユーザーの約8割が20代から30代の女性です。Pinterestの認知度が低いため、FacebookやInstagramのようなSNSのように交流目的で利用する人は少なくて、参考にしたい画像収集を目的として利用する人が多いです。
また、海外ユーザー数も4億人います。そのため、海外マーケティングにもPinterestを活用することもできます。
Pinterestマーケティングが注目を集める理由
Pinterestマーケティングは、ボードに画像をアップロードしていくビジュアルブックマークツールですが、ECサイトとの相性が非常に良いです。電子カタログとして使用することができて、ホームページの商品紹介ページにリンクを飛ばすことができます。そのため、ECサイトの売上を伸ばしたいというマーケターからPinterestマーケティングは注目を集めているのです。
Pinterest(ピンタレスト)マーケティングのメリット
Pinterestマーケティングは、SNSマーケティングとは異なる特徴があります。Pinterestマーケティングを実施すると、どのような効果が得られるのでしょうか?ここでは、Pinterestマーケティングのメリットについて解説します。
1.情報感度が高いユーザーを集客できる
Pinterestは、パーソナライズ化した情報収集ができるため、企業アカウントのボードのフォロワーは情報感度が高いです。また、Pinterestはコミュニケーションを図るための利用されるものではなく、情報収集のために利用されるため、好意的に情報を受け取ってもらえます。
Pinterestは、新規顧客の獲得のために情報発信したい企業と、有益な情報を得たいユーザーをマッチングする機能に優れたツールなのです。
2.ヴィジュアルで訴求できる
Pinterestはビジュアルブックマークツールのため、画像に訴求力が強いです。そのため、商品購入の動機付けの効果をもたらします。実際に、Pinterestマーケティングに成功しやすい企業は、ファッション業界やインテリア業界です。
コーディネートを紹介した写真をボードに貼り付けることで、商品購入後の使用イメージが湧きやすくなります。そのため、Pinterestを販売促進やブランディングに役立てている企業も多いです。
3.ECサイトとの連動ができる
Pinterestには、プロダクトピンというマーケティングに活用できる機能が用意されています。プロダクトピンは、商品画像に価格や在庫ストックなどの情報をリアルタイムに表示されることができます。この機能を使えば、ボード上に商品カタログを作成することが可能です。
ファッション雑誌を読みながら、欲しいと感じた商品をその場で購入できるという体験ができるようになります。
4.ユーザー参加型の施策が打ちやすい
Pinterestは企業アカウントを設定してボード公開するだけではなく、ユーザーのボードをRipinすることができます。
ファンが自社ブランドや商品画像をアップした際にRipinすれば、ユーザーの承認欲求を満たすことができて、ファンコミュニティを形成することもできます。ファンのロイヤリティ向上だけでなく、アイデアが枯渇する心配も軽減されるのでおすすめです。
5.アナリティクスが提供されている
Pinterestには、アクセス計測ができるアナリティクスが提供されています。Pinterestのアナリティクスは無償で提供されており、Googleアナリティクスを活用したことがある人であれば、簡単に使いこなすことができるツールです。そのため、アナリティクスを活用しながらデータを振り返りながら、PDCAを回していくことができます。
Pinterest(ピンタレスト)マーケティングの始め方
実際に、Pinterestマーケティングを始めたいと思っている方もいるでしょう。ここでは、Pinterestマーケティングの始め方についてご紹介します。
1.ビジネスアカウントの作成する
まずは、ビジネスアカウントを作成してプロフィールを入力していきます。プロフィールを作成する場合は、公式ホームページやSNSと一貫性が出るように工夫してください。可能であれば、FacebookやInstagramで使用しているユーザーネームと統一させましょう。プロフィール写真のロゴも統一しておくと、ファンにフォローしてもらいやすくなります。
2.ボードを設定する
プロフィールを充実させるのと同じぐらい、ボードの整理は重要です。ボードをセクション別に分けることで、キーワードが最適化できるようになり、より多くのユーザーにフォローしてもらいやすくなります。
このキーワードはニッチなものを設定するほど、競合他社と差別化できて、ユーザーに刺さりやすくなります。そのため、ボードはセクション別に細かく分けましょう。
3.キーワードを設定する
Pinterestも、検索で参考にする画像を収集していくツールです。そのため、キーワード設定が重要になります。ターゲットとなるユーザー層を決めて、どのようなキーワードで検索するかを想像しながら、キーワードを設定するようにしましょう。
1つの画像に、複数のキーワードを設定することができます。キーワードを多く設定するほど、画像に人気が出てくるため忘れずにキーワード設定をしましょう。
4.コンテンツをシェアする
Pinterestでコンテンツをシェアする場合は、コンセプトに関連するものを選びましょう。コンセプトに見合った画像をシェアし続けることで、ファンが増えていきます。関連性のない画像をシェアすると離脱の原因になるため、注意しなければいけません。
Pinterest(ピンタレスト)マーケティングのポイント
Pinterestマーケティングを実施する上では注意点もあります。どのような点に注意すれば良いのでしょうか?ここでは、Pinterestマーケティングのポイントについてご紹介します。
1ボードのテーマは細分化する
Pinterestマーケティングは、ユーザーに興味を持ってもらえるようなボード設計が必要です。例えば、ファッションブランドであれば「メンズ」「レディース」「色」「商品カテゴリ」などで、ボードテーマを細分化しましょう。
しかし、ボード設計を細分化し過ぎると、ボード内の画像が少なくなってしまいます。そのため、ボードを作成する際は、20枚程度の画像を入れられるように分類してみましょう。
2.さまざまなボードを活用する
Pinterestには「グループボード」「シークレットボード」があります。グループボードとは、ユーザーを招待して共同編集するためのボードです。社内で画像が用意できない場合、他のユーザーに画像を増やしてもらえるというメリットがあります。また、他のユーザーのフォロワーにも画像が表示されるため、拡散効果が期待できるのです。
その一方で、シークレットボードは、作成者と招待されたユーザーしか見られないボードのことをいいます。企画段階の画像を共有するときに利用すると便利です。
3.季節ごとのイベントを取り入れる
ボード内に画像が増えていくと、次第にネタ切れをしてしまうことがあります。そのときに使えるのが、季節のイベントです。ハロウィンやクリスマスなどの季節のイベントは検索されやすく、ユーザーの目に留まりやすい傾向があります。
とくにユーザーは、季節のイベントの予定を立てるために、Pinterestで情報収集するため、季節に関する画像は人気なのです。そのため、季節に関する画像が1ヵ月前には投稿しておくようにしましょう。
4.タイトルや説明はシンプルにする
Pinterestは、ヴィジュアルブックマークツールですが、タイトルや説明文も重要です。ユーザーに検索されやすいタイトル・説明文にすることで閲覧数やクリック数が増えます。そのため、ターゲットとなるユーザーが検索しそうな言葉を想像して、タイトルや説明文を作成しましょう。
5.ハッシュタグを設定する
Pinterestには、Instagramのようにハッシュタグを付けることができます。ハッシュタグもクリック数に影響するため、必ず設定するようにしましょう。ハッシュタグを多くつけすぎてしまうと呼んでもらえなくなる可能性があるため、1つの画像に対して20個以下に留めるようにしてみてください。
6.ターゲットに言語を合わせる
Pinterestは、国内ユーザーだけではなく国外にもユーザーがいます。Pinterestは、世界で4億人のユーザーに利用されているため、海外マーケティングにも活用することができます。
海外ユーザーに商品紹介をしたい場合は、英語でタイトルや説明文を入力しましょう。ターゲットに合わせた言語を用いることで、マーケティングの最適化ができます。
7.投稿頻度と投稿時間を守る
Pinterestは投稿頻度が多すぎると、ユーザーのタイムラインを埋めてしまうため、フォローされにくくなります。そのため、投稿頻度や投稿時間を守るようにしましょう。
Pinterestは、昼休憩時間や就寝前の利用が1番高くなると言われています。この時間帯を狙って、画像を投稿することで、多くのユーザーに画像を見てもらえます。
Pinterest(ピンタレスト)マーケティング成功事例
実際に、Pinterestマーケティングで成功している企業もあります。成功事例を参考にすると、Pinterestマーケティングの施策が立てやすくなるはずです。ここでは、Pinterestマーケティングの成功事例を紹介するので、ぜひ、参考にしてみてください。
株式会社無印良品
(出典元:https://www.pinterest.jp/mujiglobal/_created)
無印良品は、Pinterestを電子カタログとして使用しています。実際の素敵な部屋の使われているアイテムをタグ付け。気になるアイテム画像をクリックすると、公式ホームページ上の商品購入画面に移動します。
実際の商品の利用シーンが分かりやすいと好評で、無印良品の企業アカウントのフォロワーは約3万人、月間閲覧者数は約102万人とPinterestマーケティングに成功しています。
株式会社ZOZO
ZOZOTOWNは、Pinterestの企業アカウントを設けていません。ZOZOTOWNで購入した商品でコーディネートを楽しんでいるユーザーによる投稿(UGCコンテンツ)で拡散しています。
ZOZOTOWNは、Pinterestからの流入数が11%ほどあり、企業アカウントを運営しているInstagramの流入数より高いです。Pinterestが、他のSNSとは異なるビジュアルブックマークツールであることが分かる成功事例です。
株式会社LIG
(出典元:https://www.pinterest.jp/ligblog/_created/)
Webメディアを運営会社のLIGのPinterest企業アカウントは、ビジュアルで訴えるコンテンツ作りに特化しており、どれもクリックして中を確認したいと思わせる工夫がされています。
ファッションやインテリアなどECサイトとの連携ではないため、フォロワーは約2,600人と少ないですが、月間閲覧者数は63万人です。コンテンツ作りにこだわれば、メディアに多くのアクセスを集めることもできます。
まとめ
今回は、Pinterestマーケティングについて解説しました。FacebookやInstagramとは異なり、参考になる画像情報を収集するためのヴィジュアルブックマークツールとして利用されるPinterestは、ECサイトとの相性が良いです。電子カタログとして使用することができます。
また、国内ユーザーだけではなく世界にユーザーがいるため、海外マーケティングとして活用することも可能です。売上に直結しやすいマーケティング方法なので、ぜひ、ECサイト運営者はPinterestマーケティングに取り組んでみてください。
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