海外でビジネスを展開していくにあたって、ユニークなマーケティング戦力を立てることは必須となっています。
特にビルボードやプリント広告、近年ではYoutubeの動画広告などの広告媒体は、海外マーケティングにおいて重要な要素です。
今回は海外のマーケティング事例を、ユニークな広告媒体を中心に紹介したいと思います。海外マーケティング戦略のインスピレーションにしてみてはいかがでしょうか。
目を引く海外のマーケティング事例12選を紹介
私たちが日々過ごす暮らしの中で何気なく目にしている広告は、たくさんのアイディアのもと作られています。
新聞の折込チラシや街のビルボード、テレビCM、Youtube動画の途中の動画広告などは、もっとも私達の目にする広告ではないでしょうか。
海外の事例を中心に、ユニークな広告デザインにはどんなマーケティング戦略が隠されているのかを、12の事例を取り上げて見ていきましょう。
子どもたちに向けたマーケティング広告
参照元:FESPA
スペインの児童支援団体、ANAR Foundationの広告パネルは、一見、普通の広告に見えますが、見る高さによって見えるメッセージが変わるという、こだわりのトリックがかけられたデザインです。
10歳くらいまでの身長の低い子どもたちの目線からは、頬に傷を負った子どもの顔の画像と、何かあったら助けをもとめてという言葉が見えるようになっています。
この画像とメッセージは大人の目線からは見えません。子どもはなかなか大人には暴力について打ち明けにくいものですが、この広告をきっかけに子どもたちの気持ちを開放させてあげたいという意味が込められています。
地下鉄が通るたびに目に止まる広告パネル
Apotek Hjärtat – Blowing in The Wind from Ourwork on Vimeo.
スウェーデンのヘアケアブランドApotexの広告は、地下鉄が通るたびに広告パネルの中の人の髪が突風でなびくという驚くべき広告です。
パネルにはセンサーが埋め込まれており、地下鉄が近づく振動を感知することで、画面の中の女性の長い髪がなびくようになっています。地下鉄が到着した後は、髪は元通りに戻ります。
この広告はテクノロジーを駆使したアイキャッチな広告として、ネット上でも話題となりました。地下鉄が到着するばびに、思わずハッとさせられる広告デザインですね。
目で見て分かる!どこよりも早い運送会社をアピール
フェデックス・FedExはどこのライバル企業よりも早く荷物をお届けしますというメッセージを込め車体デザインを一新させました。黄色の運行バスは、ライバルでもある運送会社のものだと思われます。後輪をライバル車の前輪にすることで、二台がまるでチェイスするように躍動感が表現されています。
ライバル社とチェイスする車体で街を滑走することで、消費者は自然にFedExのトラックは早い!という潜在意識を植え付けられます。バスやトラックの車体を使った広告は多いですが、ユニークなマーケティング手法のひとつです。
つまらないイメージのCMを一新させ売上が700倍に!?
参照元:Linked in / Marketing Solutions Blog
米国のミキサーブランドBlendtec社は、従来は、ただフルーツや野菜をミキサーにかけ、ミックスジュースを作るだけのつまらないCMを斬新な方法で一新させました。
新CMはTV番組の人気ホストをキャストに加え、想いれのあるぬいぐるみやボールなど、あり得ない物をミキサーにかける実験をするというもの。見ている消費者に刺激を与える作品です。このCMはシリーズ化され、シリーズごとにさまざまなものをミキサーにかけ話題となりました。
特に2007年発売されたiPhoneをミキサーにかけたYoutube動画は、即座1200万再生を叩き出し大人気となりました。その後も同じApple社製品を使った続編も公開され、Blendtec社製のミキサーの売上は700%もアップしたそうです。
クローゼットの収納問題を視覚化しアピール
参照元:TRENDHUNTER
日本でも人気のスウェーデン発の大型家具ストア、IKEA(イケア)といえば色鮮やかなでおしゃれな広告デザインが有名です。人気のシューズクローゼットHEMNESをアピールするプリント広告は、ハイヒールと汚れたスニーカーを組合せ、綺麗な靴と汚れた靴が混雑するだれしもが抱える靴箱の収納問題をわかりやすく表現しています。
他にもブーツにサンダルなど、さまざまなデザインパターンがシリーズ化されています。このプリント広告を目にすることで、IKEAに今すぐ足を運びたくなる広告のデザインです。
ターゲット層の購入意欲をプッシュするマーケティング戦略
米国の車メーカー、Ford (フォード)と言えばトラックやバンなどの大型車をはじめ、スポーツカーやラグジュアリーなSUVなどたくさんの車種を販売しています。彼らのターゲット層は23~55歳と幅広い年代のビジネスマンたちです。そんな、働き盛りのターゲット層の心をつかむため、ビジネス街のスカイラインを鍵のデザインにほどこしたプリント広告を起用しました。
この広告には「街はあなたの手の中に」というキャッチコピーが付けられており、ターゲット層の購入意欲を倍増させるマーケティング戦略が隠れたデザインとなっています。
和えてターゲットが嫌うものを使う
参照元:adeevee
ホワイトニング効果の高い歯磨き粉で有名なコルゲート社のプリント広告をご紹介します。ホワイトニングの敵であるステインのイメージが強いたばこやコーヒーを歯に見立て、歯磨き粉のホワイトニング効果をアピールしたデザインが目を引きます。
和えて、エネミー(敵)となるものデザインに起用し、歯を白くしたいという消費者の願望を上手く引き出すデザインです。コルゲート社の趣向を凝らしたマーケティング戦略のひとつとなっています。
見る人に体感させるキャンペーン
参照元:Directdaily
犬猫用のノミ・ダニ防止薬のメーカーである米国のフロントラインは、とあるモールの床に大きく犬がプリントされたステッカーを貼り付けました。下の階にいる人たちからは何も気づかれませんが、上の階の人たちが上からステッカーを見ると、ステッカーの上を歩いている人たちが、まるで犬にたかるノミのように見えてしまいます。
見ているとむず痒くなってくるこの広告は、吹き抜けのあるモールの階層を活用したアイディアが斬新です。斬新なアイディアと同時に、見る人にむず痒いという体感も与えています。自らの実体験はいつでも頭に残ります。体験を利用したユニークなマーケティング方法ですね。
自然の背景を使ったビルボード
参照元:Ads of the World
ペイント缶を販売メーカーBerger社のビルボードは、一瞬はっとさせられるデザインです。真っ白なビルボードを、命綱を付けた塗装業者の人がブルーにペイントしています。そのペイントカラーは晴れた空と全く一緒の色です。
まるで、晴れた空をペイントしてるかのような錯覚に陥る美しいデザインです。晴空のような綺麗なブルーを表現し、ペイントカラーの美しさが際立ちます。シンプルなアイディアですが、印象強い広告イメージです。
真っ白を売る洗濯洗剤メーカーのアニマル柄を使ったアイディア
参照元:TRENDHUNTER
オレンジの大きなボトルで有名なアメリカの液体洗濯洗剤の大手、Tide(タイド)の広告ポスターデザインもユニークです。ダルメシアンやヒョウ、シマウマの模様がそぎ落とされ、下に真っ白な毛が見えます。
アニマル柄と真っ白なTシャツ生地を、見ている人にそうぞうさせるユニークな発想となっています。特に動物を起用した広告は、ファミリー層にも人気のデザインです。和えて真っ白の反対である「柄」を起用することで、真っ白を際立たせる効果をつかった広告デザインです。
フレッシュさを伝えるために
参照元:MEDIUM
アメリカのケチャップメーカーハインツは、トマトのフレッシュさを伝えるために、和えて人工的なケチャプ瓶の底に、リアルなトマトのヘタを付けました。一瞬、なんでだろうと思いますが、リアルなトマトのヘタがあることで何の変哲もないハインツのケチャップ瓶が、なんだかジューシーでフレッシュに見えてくるものです。
キャッチコピーは、「だれもハインツのようなケチャップを育てることはできまい」というもの。ジョークを匂わせるメッセージから、フレッシュで美味しいケチャップをお届けしますというメッセージが伝わります。
ゴッホの自画像もリアルに見えてしまう眼鏡
参照元:Ads Of The World
フランスパリの眼鏡メーカーKelopticの広告は、ゴッホの自画像を起用し話題となりました。ゴッホと言えば油絵を使った画風が有名な画家です。彼の有名な作品でもあるご自画像を、Keloptic製の眼鏡でのぞくと…その部分だけリアルなゴッホが映るという広告です。
油絵からは想像することができない、リアルなゴッホの顔を見られるという、いかにも興味深いアイディア。この広告はヒットとなり、他の美術作品でも同じような広告デザインを打ち出しました。眼鏡を使う消費者にポジティブなイメージを与える、見事なマーケティング戦略です。何よりも話題になることで、メーカーの知名度にもつながりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これだけたくさんのもので溢れる現代には広告は欠かせません。
ただ商品を打ち出すということよりも、斬新なアイディアを含んだプリント広告や動画を作ることで、消費者やターゲットの心を鷲掴みにつることが重要です。
海外のユニークかつ効果的なマーケティング事例を参考に、新しいアイディアを想像してみてはいかがでしょうか。意外な組み合わせやシンプルなものから、どこにもないアイディアが生まれてきそうです。
おすすめ記事
日本と海外マーケティングの違いとは?ビジネス機会を得る上で知りたいこと
アプリを海外でプロモーションする際に考えておきたいこととは?
海外SNS運用をする際に知っておくべき海外企業のSNSマーケティング事例
海外プロモーション