2020年8月12日

スタートアップ企業の海外展開方法

日本は、中国やアメリカと比較すると有力なスタートアップ企業が少ないです。実際に、時価総額1,000億円となるユニコーン企業数は、海外では200社を超えているのに、日本国内では2社しかないのです。このような背景を受けて、経済産業省は「J-Startup」というスタートアップ企業育成支援プログラムを始めました。
これからは、世界と互角に戦えるスタートアップ企業が続々と誕生していくでしょう。この記事を読まれている方の中にも、スタートアップ企業の起ち上げを考えているのではないでしょうか?このような方のために、この記事ではスタートアップ企業の海外展開方法について分かりやすく解説します。

海外のスタートアップ企業事情

第4次ベンチャーブームの時代を迎えており、世界各地でスタートアップ企業が誕生しています。その中でも、時価総額1,000億にもなるスタートアップ企業は、ユニコーン企業と呼ばれており、世界から大きな注目を集めています。

しかし、胡潤研究院が公開した「2019胡潤グローバルユニコーン企業ランキング」を見ても分かるように、中国では206社、アメリカでは203社のユニコーン企業がありますが、日本のユニコーン企業は2社しかありません。日本国内では、世界と互角に戦えるスタートアップ企業が少ないことが分かります。

スタートアップ企業の海外展開を支援する「J-Startup」とは

(出典元:https://www.j-startup.go.jp/

日本国内では、世界と比較するとユニコーン企業数が少ないです。このような背景に伴い、2018年6月から、世界で戦い勝てるスタートアップ企業を生み出すことを目的とするスタートアップ企業育成支援プログラム「J-Startup」が始まりました。ここでは、J-Startupについて分かりやすく解説します。

J-Startupの基本概要

J-Startupは、グローバルに活躍できるスタートアップ企業を創出するために、2018年6月に施策されました。ベンチャーキャピタリスト・アクセラレータ・大企業新事業担当者の推薦によってJ-Startup企業を選定して集中支援していきます。
経済産業省・日本貿易振興機構(JETRO)・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事務局となり運営しています。

J-Startupの取り組み

J-Startupは、海外展示会出展支援・経団連経済同友会と経営者の懇親会・入札機会の拡大などによって、日本ロールモデル創出に向けて、スタートアップ企業を応援しています。海外との連携も取りやすくなっています。

J-Startupの選定方法

J-Startupに選出されると手厚い支援が受けられますが、推薦企業として選ばれなければいけません。J-Startupは「オープンイノベーションの促進」「海外展開」「地域の有望スタートアップの発掘」の3つの観点を重視して選定されます。

スタートアップ企業が海外展開する際のチェック項目

スタートアップ企業育成支援プログラム「J-Startup」を受けるだけではなく、自社内でも海外展開する準備を入念に行わなければ、海外展開は失敗に終わってしまいます。実際に、海外展開する場合は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?ここでは、スタートアップ企業が海外展開する際のチェック項目について紹介します。

マーケティング

独自技術・製品・サービスに自信を持っている企業も多いと思いますが、マーケティング戦略を持っていないと、自社の強みを最大限に活かすことはできません。自社技術・製品・サービスは誰に必要とされているのか?どのような方法で販路を拡大していくのか?を十分に検討することが大切です。

人材

海外展開に必要な人材は、海外展開を統括する人材です。現地情報収集・現地指導・交渉を担当する人材を選ばなければいけません。また、現地と円滑にコミュニケーションが行える人材も必要になります。

資金

海外展開をする場合は初期費用や運転資金が必要になります。海外展開後に、すぐに利益が見込めることは少ないため、利益が得られなくても、国内事業で安定収益が得られていて、安定した運転が行えるかどうかが重要なポイントとなります。また、初期費用が用意できなくて、金融機関からの融資を検討している場合は、海外展開で黒字化するまでの期間などを説明して理解や支持を得なければいけません。

ビジネスパートナー

海外展開で成功するためには、企業独自で事業を行うのではなく、現地の企業と提携することが大切です。しかし、異文化である現地の企業とパートナー提携を組む場合は、慎重に選定を行わなければいけません。労務や雇用などのトラブルなどが出てくることもあるため、必ず専門家の力を借りるようにしましょう。

ICT

海外展開する上で、現地法人と本社を結ぶためのICTの活用が必須となります。現地法人の経営情報を常に可視化して、グローバル規模で経営を行っていくためには、リアルタイムに情報共有できるICTの活用は欠かせません。

労務管理・社内管理

日本国内の労務が、海外で通用しないこともあります。そのため、現地の従業員を雇用する場合には、徹底した労務管理を心掛けてください。
定款・就業規則・職務権限規程・人事管理マニュアルなどを作成しましょう。労務管理を安易に見ていると、ストライキなどの大きな問題に発展しまうことがあるので注意してください。

法規制

海外と日本では、法規制や税制が大きく異なるため、事前に現地の法規制を調べておく必要があります。法規制に関する調査は難しく感じてしまう方もいるかもしれませんが、海外マーケティング支援会社などに相談すると分かりやすく教えてくれるはずです。

知的財産

日本の知的財産権に関する法律は、海外と異なります。そのため、現地の商号・商標登録・工業所有権・著作権・技術移転などの知的財産制度について事前に確認するようにしましょう。法律に関しての相談は、弁護士にすることをおすすめします。

社会情勢

海外展開を成功させるためには、現地の政治や経済などの社会情勢についての情報が欠かせません。情報不足によって、ビジネスが円滑に進まないこともあります。インフラ整備状況や労働事情、政治・経済動向など事前に情報収集しておくと、ビジネスも優位に進めていくことができます。これらの社会情勢も、海外マーケティング支援会社に相談すれば、詳しく教えてもらえます。

まとめ

この記事では、スタートアップ企業が海外展開する際に確認したい事項について解説しました。

世界では、時価総額1,000億円にもなるユニコーン企業が多く誕生しています。しかし、日本では2社しか誕生していません。このような状況を変えて、世界と戦えるスタートアップ企業を輩出するために2018年からはJ-StartUpのプログラムも開始されました。このように、海外展開を応援する支援は増えています。さまざまな支援があるので、上手に活用していきましょう。

 

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