2020年6月23日

ユニクロも撤退?日本企業が海外進出に失敗する理由と対策方法

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海外進出する日本企業が増えていますが、市場を拡大することで業績アップが見込めます。しかし、海外進出で失敗する企業も多いようです。なぜ、失敗するのでしょうか?この記事では、日本企業が海外進出に失敗する理由と対策方法をご紹介します。

海外進出を検討する日本企業が増えています。ニュースでも取り上げられる機会がありますが、国内マーケットは縮小されることが予想されています。国立人口問題研究所によれば、2065年に日本の人口は8,800万人に減少するとも言われているので、国内マーケットは縮小の一途を辿っていくのです。

その一方で、海外市場は新興国を中心にビジネスチャンスは拡大し続けています。しかし、海外進出に失敗する企業も多いです。失敗する理由は、なんなのでしょうか?この記事では、日本企業が海外進出に失敗する理由と対策方法について解説します。

海外進出が失敗してしまう3つの理由

まずは、日本企業が海外進出をして失敗する理由についてご紹介します。

1.マーケティング調査不足

海外進出の大きな問題として、現地に関する情報収集不足問題が存在します。市場情報には、国際機関が提供している統計情報などの定量的な調査データと現地人の意識や嗜好などの定性的な情報があります。これらの情報が不足してしまうと、海外進出後にビジネスが成功するかどうかを予測・判断することはできません。

日本で売れる商品が、海外で売れるとは限らないため、安易な気持ちで海外進出をしてしまうと失敗してしまいます。

2.労務管理不足

海外進出で成功するためには、労働関連法に考慮しなければいけません。現地の労働関連法を十分に考慮していない人事制度を導入した結果、重大なコンプライアンス違反が発覚して行政から指導を受けたり、投資して育成した現地のスタッフが退職してしまったりします。

近年では、従業員の不満がストライキや暴動にまで発展している事例もあるため、注意しなければいけません。

3.合弁企業の選択ミス

合弁先の企業との関係が上手くいかなくなり、現地のコントロールができる経営がスムーズにいかなくなることも多いです。合弁企業の場合は、日本企業と現地企業との両方から経営陣が入ることになります。

会社自体が現地にあるため、パワーバランスとしては現地企業の方が強いでしょう。信頼できるパートナー企業であれば、問題ありませんが、そうではない場合は、事業が乗っ取られるなどの問題も起こるので注意しなければいけません。

 

その他にも、日本と海外でのマーケティングの違いを知ることも重要です。

日本と海外マーケティングの違いとは?ビジネス機会を得る上で知りたいこと

こちらの記事で詳しく紹介してしますので、ぜひご覧ください。

 

海外進出で失敗を防ぐための7つの対策方法

海外進出で失敗する理由を把握しておけば、対策を打つことができます。ここでは、海外進出で失敗を防止するための対策方法をご紹介します。

1.現地の情報を正しく把握する

海外進出してビジネスを成功させるためには、周到な調査に基づく事業戦略の策定が必要不可欠です。現地の消費者のニーズ、競合他社製品について情報収集を行いましょう。また、補助金等を活用すれば、直接投資金額の軽減が行えるので、このような情報も、海外進出前に集めておきましょう。

2.海外販路を確保しておく

中小企業白書によると、海外進出で成功を収めている企業は海外販路を豊富に持っているのに対し、失敗する企業は海外販路を持っていないことが挙げられています。海外での営業は想像以上に難しいため、海外販路を確保するためのリソースを準備しておくことが大切です。

3.現地パートナーを見つける

海外販路を確保するのは難しいですが、現地パートナー企業の協力を仰ぐことができれば、代理店戦略での成功も夢ではありません。代理店契約を結ぶことができれば、海外拠点でのスタッフ確保の難しさや海外販路先の確保などの問題がクリアされやすいです。

4.経営者の方針を明確に示す

海外事業で成功するためには、海外進出事業を適切に管理することが求められます。しかし、諸問題の解決に忙殺され、重要な経営管理が疎かになることも多いです。そのため、現地経営者を選び、経営者の方針を明確に示し、コントロールが効く体制を整えましょう。

5.現地のスタッフを採用する

海外進出をする際に、日本と現地のズレを感じることも少なくありません。そのため、現地のスタッフを採用しましょう。現地の需要や文化を熟知して、現地の国の言葉が話せるスタッフを採用することで、企業のグローバル化に対応しやすくなります。

6.事業展開のスピードを意識する

海外の経営環境の変化は激しく、海外進出後も事業計画を環境変化に合わせて見直していかなければいけません。そのため、事業展開にスピードが必要とされます。

7.リスクを踏まえて撤退時プランを決めておく

海外事業では、移転や撤退の決断が必要となることがありますが、その意思決定を的確に行うことは容易ではありません。そのため、撤退の意識決定を的確に行うため、どうしたら撤退するのか進出前に決めておきましょう。また、撤退時には国内事業に影響をもたらさないように注意してください。

有名企業の海外進出の失敗事例

次に、実際に失敗した海外進出事例をご紹介します。

LINE:事業展開のスピードの遅さによる失敗

LINEは、海外進出を掲げていたものの、国内人気アプリから脱却することができていません。国内ではトップシェアを誇っていますが、海外市場ではFacebook傘下のWhatsAppに押されて利用者が減少しており、シェアの獲得に苦戦しています。

海外でも利用者が多いTwitterやFacebookと比較すると広告事業展開のスピードが遅く、それが要因となり、海外シェアの獲得に至れていません。LINEは、現在は国内のゲーム事業に注力しています。

クックパッド:現地の商習慣や文化の違いによる苦戦

2019年にGoogle Play Awards2019を受賞して海外でも認められ始めているクックパッドですが、順風満帆なものではありませんでした。

アプリを多言語化すれば、簡単に海外進出できると考えられていましたが、言語・宗教・地域ごとのライフスタイルによって、インターネットの使い方や食文化が大きく異なり、クックパッドのアプリが世界に浸透するまでは、時間を要しました。資金力のあるクックパッドだからこそ、海外進出に成功できましたが、資金力のない企業であれば、失敗していたことでしょう。

ユニクロ:企業理念の不浸透による撤退

ユニクロは、イギリスに進出して21店舗まで拡大しましたが、巨額赤字となり撤退を余儀なくされました。現地のビジネスに精通した現地人を責任者に選んだのですが、ユニクロの企業理念は浸透しなかったのです。自社企業に精通し、現地の商習慣を知っている人を選択・育成することは難しいということで、このユニクロの撤退は大きな話題にもなりました。

有名企業の海外進出の成功事例

最後に、成功した海外事例をご紹介します。

任天堂:現地パートナーとの提携に成功

スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」は、世界各国で爆発的なヒットとなりました。米国では社会現象にもなりましたが、米国のナイアンティック社と任天堂が提携することで、米国での信頼性を高めることに成功できたのです。

ナイアンティック社は、イングレス単体では儲けられておらず、ポケモンで話題性を獲得したいと提携。必要資金の提供もしています。現地のパートナーと提携することで、瞬く間に広めていくことができました。

ユナイテッドメディアカンパニー:事業展開の速さで成功

ユナイテッドが開発したスマートフォンアプリ「CocoPPa」は、全世界で1,500万ダウンロードを突破しています。全世界150ヵ国以上に利用されている海外進出成功アプリとして注目を集めています。

CocoPPaは、スマートフォンのホーム画面着せ替えアプリとして、10代や20代の女性向けに開発されたアプリです。開発当時から多言語に翻訳しており、SNSによる配信など事業展開が速かったため、成功につながりました。

スズキ自動車:徹底したローカライズで成功

自動車産業の市場規模が拡大しているインドで、約4割の市場シェアを獲得しているスズキ自動車ですが、その成功の要因は徹底したローカライズにありました。インドにあるマルチスズキは、1981年にインド国営会社との合弁会社によって製造されています。

開発から製造、販売に至るまでインドで行われているのです。デザイナーも現地に移住しており、現地人の好みのデザインを設計しており、このような徹底したローカライズによって、インドで大成功しています。

海外マーケティングの基礎知識から成功事例は、こちらの記事でもさらに詳しくまとめております。海外進出をお考えの方は、ぜひご覧ください。

海外マーケティング成功事例から学ぶ5つのマーケティング施策

まとめ

日本企業の海外進出は、簡単なことではありません。LINEやユニクロの有名企業でも、海外進出に苦戦しているのです。しかし、海外進出をすることで、市場拡大や業績アップが見込むこともできます。そのため、海外進出前に徹底した調査を行い、海外進出後は事業展開を素早く行っていきましょう。正しい海外進出方法を把握しておけば、海外進出での成功も夢ではありません。

まじすけ株式会社では、20ヵ国以上の現地スタッフと共に、日本企業の海外進出を支援しています。 海外進出を検討している方、少し話を聞いてみたい方など、どんなことでもかまいませんので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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