デジタル広告には、さまざまな種類がありますが、新たに「音声広告」が注目を集めています。2020年度の市場規模は16億円と少ないですが、2025年までに420億円に市場拡大すると予測されているのです。
先進国の米国の有名企業アマゾンサービス「Amazon Music」でも、音声広告を配信し始めたことで話題になっていますが、どのようなものなのでしょうか?ここでは、最新デジタル広告として注目を集めている「音声広告」についてご紹介します。
音声広告とは
音声広告とは、別名「オーディオアド」と呼ばれていますが、デジタル音声メディアへの広告出稿をいいます。国内にもラジオ配信がありましたが、Amazon MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービス上で配信ができるようになったため、新たなマーケティング手法として注目を集めています。
音声広告の市場規模
音楽ストリーミングサービスなどの音声広告配信サービスだけを、デジタル音声広告と呼びますが、デイタルインファクト社「デジタル音声広告市場規模推計・予測2019年~2025年」は、2020年度の市場規模は16億円で前年比の2倍。2025年度の市場規模は420億円まで拡大するといわれているのです。
音声広告の仕組み
音声広告は、視聴者の耳に伝えたいメッセージを届けることができます。ラジオ広告とは異なり、位置情報を活用してターゲティングを絞り込むことも可能。店舗周辺にいる人に伝えたいメッセージを配信することもできるのです。
聴覚から得た刺激は、大脳辺縁系に伝わって、記録を司る海馬や扁桃体も刺激されます。人の記録には、短期記録と長期記録がありますが、音声は長期記録されやすいといわれています。
音声広告の種類
注目を集めている音声広告ですが、大きく(1)デジタル音声広告と(2)対話型音声広告に分けることができます。
(1) デジタル音声広告
デジタル音声広告(Digital Audio Advertising)は、クリック課金のように視聴者1人当たりによって広告費用が発生する広告です。ユーザー属性や過去の視聴番組、位置情報データを活用してターゲティングすることも可能です。
(2) 対話型音声広告(interactive voice ads)
2020年に話題となっている音声広告に対話型音声広告があります。AIを活用した音声レスポンス機能により、ユーザーと対話することが可能に。米国サンフランシスコでInstreamaticが対話型音声広告サービスを開始して大きな注目を集めています。
音声広告を活用するメリット
市場拡大している音声広告の魅力とは、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは、音声広告を活用するメリットをご紹介します。
認知拡大につながる
従来のオンライン広告では実現できなかった聴覚への訴求によって、自社ブランドや自社サービスの認知拡大も行えます。マーケティングでは、購買行動プロセスを考えていかなければいけませんが、プロセスの中でも「認知」が大事といわれているのです。多くの人に認知されることで、自社商品の購入者を増やすことができます。
Nielsen Media Labの調査では、ブランド想起が24%アップ、関心・購買意欲が2倍、広告理解が28%アップという結果が報告されています。
スキップされにくい
音声広告の魅力は、その他のオンライン広告と比較するとスキップされにくいことです。アプリの完全視聴率は90%という調査報告も上がっています。実際に、広告が流れたという理由でヘッドホンを取る人は少なく完全再生されやすいため、広告主の訴求したい内容を確実に届けることができます。
ターゲティングが行える
音声広告は、ラジオ広告では実現できなかったターゲティングが行えます。パーソナライズ化した配信が行えるため、届けたい人に届けたいメッセージを的確に伝えることができます。
音声広告が出稿できる媒体
最新のデジタル広告の音声広告を活用したい場合、どのような媒体があるのか気になるでしょう。ここでは、音声広告が出稿できる媒体をご紹介します。
1.Spotify
(出典元:Spotify公式ホームページ)
Spotify(スポティファイ)は、約2憶3,200万人のユーザーを抱えている世界最大級の音楽ストリーミングサービスです。Spotify上で、位置情報ターゲティングによる音声広告「GeoLogic」が注目を集めています。
GeoLogic(ジオロジック)とは、移動中の場所に関する広告メッセージを耳に届けることができる類を見ないサービスです。店舗周辺の人の耳にメッセージを届けることができます。
2.radiko
(出典元:radiko公式ホームページ)
radikoとは、PCやスマートフォンでラジオが無料視聴できるサービスです。インターネット環境がある場所であれば、さまざまなシーンでラジオが楽しめるとして人気を集めているサービスです。
Radikoでは、過去に聞いたラジオ番組や利用者の属性、位置情報を活用してパーソナライズされた広告配信を実現する「radikoオーディオアド」をリリースして大きな注目を集めています。
3.ニッポン放送
(出典元:ニッポン放送公式サイト)
ニッポン放送は、毎日4,700万人に向けて情報発信をしているラジオ放送局です。テレビとは異なり、想像力を使用するラジオの放送を視聴者に向けて音声メッセージを届けることができます。
ニッポン放送局もスマートフォンの普及やアプリの登場により、多様な聴き方が広がっています。音声メッセージだけではなく、ニッポン放送局のアカウントを活用したSNS拡散なども併せて相談することも可能です。
[2020年最新]音声広告の活用事例
海外では音声広告配信が普及していますが、市場規模は少しずつ拡大しています。2025年度には音声広告は普及していくため、実際にどのように活用すれば良いかを学んでおきましょう。
1.旅行者に対する情報提供
海外の音声広告で人気の活用方法は、旅行者に対する情報提供です。ドライブ中に観光地や店舗情報を流すことで、アクションにつなげるという活用方法があります。このような情報提供が行えるのも、エリアターゲティングができる音声広告ならではです。
2.消費者アンケート
対話型音声広告を使用すれば、視聴者と対話することができます。例えば、自社サービスの詳細情報を知りたいかどうかも尋ねることができます。自社サービスの詳細情報を知りたい方にはメールやSNSなどで情報を届けて、興味を示さなかった人に対しては、別の商品を案内することもできます。
補足:将来的にはスマートスピーカーと連携
Amazon Music は無料ストリーミングの提供を開始しました。クラウドベースの音声サービスAmazon Alexaを利用して音楽を再生することも可能で、将来的にはAlexaを活用してショッピングが楽しめるように仕掛けると発表しています。そのため、ショッピングに誘導させることが可能となるのです。
まとめ
今回は、最新オンライン広告として話題を集めている音声広告についてご紹介しました。各調査会社でも、音声広告は自社サービスの認知度アップに高い効果が発揮すると見解を示しています。実際に、Amazon Music配信開始となり、先進国の米国では普及しています。日本国内でも話題を集めており、聴覚による記録は長期的に残るので、新たなマーケティング手法として見逃してはいけません。早期に取り組めば、競合他社も少なく、ビジネス機会が得られるでしょう。
また、訪日観光客に向けた音声広告の配信も効果的です。そのような海外マーケティングとして音声広告の活用を考えている方は、ぜひ「まじすけ」にご相談ください。
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