中国で注目を集めているKOLマーケティングをご存知でしょうか?中国网红经济发展研究报告の調査結果によると、KOLマーケティング市場規模は約1,000憶元(1兆7,000億円)になると言われています。
実際に、ユニクロもKOLマーケティングで成功して売上を伸ばしており、2021年には店舗数1,000店を突破すると話題になっています。
いかがでしょうか?KOLマーケティングに興味を持った方もいるのでしょう。では、実際にどのようなマーケティング手法なのでしょうか?ここでは、そのような疑問を持った方のために、KOLマーケティングのメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
KOLマーケティングとは
まずは、KOLマーケティングについて分かりやすく解説します。
そもそもKOLとは
KOLとはKey Opinion Leaderの略で、SNSで多くのフォロワーを持ち影響力のある人物のことをいいます。インフルエンサーと似ていますが、KOLはPR商品に関する知識を豊富に持っており、効果的な宣伝を代行してもらえるという特徴があります。
中国のKOL市場規模は1,000憶元
「中国网红经济发展研究报告」の報告書によると、2018年の中国のKOL市場規模は約1,000億元(1兆7,000億円)です。KOLはPR商品を紹介して広告収入を得るビジネスモデルでしたが、近頃は自分でECショップを持って、商品を販売する人が増えてきたことから、KOL市場規模は格段に大きくなっています。
2018年地点で、KOLをフォロワーは5.88憶人に達しているため期待が年々高まっています。
KOLマーケティングが注目される理由
中国は、社会主義国家であるため、マスメディアによる情報は操作されがちです。そのため、中国人はマスメディアの情報よりも、信頼できる家族・友人・KOLからの口コミを大切にする文化があります。
観光庁が発表している「訪日外国人消費動向調査(2018年)」の調査結果でも、中国人が旅行前に役立てる情報元はSNS投稿(Facebook・Twitter・微信)が第1位となっています。
中国の人気KOLには、フォロワー数8,400万人を誇るシエ・ナ氏や、フォロワー数8,000万人を誇るチェン・クン氏などがいますが、このようなSNS上で影響力を持つKOLに商品PRを代行してもらうことで、商品認知度を上げることができるのです。とくに、中国はSNSマーケティングの成功が商品の売上を左右するためKOLマーケティングが注目を集めています。
KOLマーケティングのメリット
中国で注目を集めているKOLマーケティングですが、実際に、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、メリットについて解説します。
中国プロモーションを代行できる
中国では、FacebookやInstagramが使用されておらず、中国独自のコミュニケーションツールが普及しています。そのため、消費者に対する商品プロモーション方法は他国と異なり難しいです。
しかし、専門知識を持っていて影響力のあるKOLに商品プロモーションを依頼すれば、打ち合わせは必要になりますが、KOLの理解を得られれば代行してもらうことができます。
口コミによる訴求力は高い
中国は、社会主義国家であるため、マスメディアによる情報は操作されがちです。そのため、広告よりも口コミを信用する傾向があります。フォロワー数が多いKOLに情報発信を依頼すれば、一気に情報拡散することができます。そのため、新商品情報や口コミなどの情報発信してもらう方法にKOLは適しています。
消費者に情報を届けることができる
インフルエンサーと同じように影響力を持ちながら、商品の専門知識を持っているKOLであれば、消費者にシッカリとした情報を届けることができます。
インフルエンサーはフォロワーに向けて情報発信するのが仕事でしたが、KOLは商品の魅力を具体的に説明することができるのです。そのため、従来では上手く伝えることができなかった情報も消費者に届けることができます。
KOLマーケティングのデメリット
KOLマーケティングは拡散力が高く魅力的ですが、デメリットもあるので注意しなければいけません。次に、デメリットについて解説します。
広告宣伝費がかかる
KOLの依頼料金はピンからキリまであります。30万円~200万円の予算を見積っておいたほうが良いでしょう。日本では完全報酬型で後払いになることが多いですが、中国の商習慣では先払いが当たり前です。
自分自身でKOLに直接依頼すると不安に感じてしまうこともあるかもしれません。そのため、KOLマーケティングを検討している企業は、海外マーケティング支援会社に依頼するケースが多いです。
入念な打ち合わせが必要になる
KOLマーケティングを実施する上では、入念な打ち合わせが欠かせません。自社のブランドイメージに合ったKOLを選定することをはじめ、お問い合わせ先、消費者の質問に対する回答方法などを説明しておく必要があります。また、KOLとの打ち合わせは中国語で行うことが多いため、語学力も必要になります。
一過性の施策になることが多い
KOLマーケティングは即効性のある施策です。しかし、持続的な効果は見込みにくいです。そのため、WeChatやWeiboの公式アカウントを取得しておき、定期的な情報発信としてKOL活用をした方が良いでしょう。
KOLで新商品発売日情報や口コミを促すような施策をすると、SNS公式アカウントとの相乗効果が見込めます。
KOLマーケティング成功事例
次に、KOLマーケティングの成功事例を見ていきましょう。
ユニクロ:2021年に1,000店舗へ
ユニクロは、2020年2月末現在、中国大陸で673店舗、香港で28店舗、台湾で67店舗の合計768店舗を営業しており、売上収益と営業収益が2割伸びています。中国で業績が上がっている理由は、SNSによるマーケティング効果です。
ファッション業界で大きな影響力を持つKOLの獲得に成功しており、KOLが発信した情報を見て商品を購入するお客様が増加。また、お客様自身もSNSで新商品の着こなし術を配信しており、知名度アップに成功しています。2021年には店舗数は1,000店舗になると言われています。
FIndJpan:1,300万PV/日を達成
Weibo日本オフィシャルパートナーであるFindJpan株式会社は、KOL感謝祭を開催。総フォロワー数1,000万人以上のKOLを50名集めて、各スポンサー企業の商品のプレゼントキャンペーンを実施しました。このキャンペーンサイトは1,300万PVを集めるなど大盛況して注目を集めました。
コカ・コーラ:2億PVを達成
コカ・コーラ社は、脂肪の吸収を抑える特定保健用食品コカ・コーラプラスの商品を広めるための大規模キャンペーンを実施。KOLに商品を飲んでいる様子をアピールしてもらい、Weibo公式閲覧数は2,000万PVを達成。WeChatなどの他のソーシャルメディアを含めた閲覧総数は2億PVを達成し、認知度アップに成功しました。
まとめ
今回は、中国で注目を集めているKOLマーケティングについて解説しました。影響力と商品に関する専門知識を持っているKOLに商品PRを依頼すれば、多くの人に商品を認知してもらえます。しかし、KOLとの入念な打ち合わせをしなければいけなかったり、中国の商習慣に注意を払いながら、KOLに仕事を依頼しなければいけません。
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