企業様紹介
株式会社TRiCERA
代表取締役
井口 泰
「想像力に国境なんてない」というビジョンのもと、現代アートの海外向けECサイトTRiCERAを運営。2020年4月時点で、約1,000人のアーティストが参加、日本だけでなく、世界各地のアーティストの作品を掲載している。またアートの保管から販売まで行うワンストップ型サービスも運営し、事業を通じて世界中のアーティストを支援している。
「TRiCERA」の当時の課題感
井口:
当時の課題は2つありました。
ひとつは、海外マーケ全般に対する課題感が強くあったこと。もうひとつは、マーケティングのスペシャリストがいなかったことですね。
私の経歴もビジデブやオペレーション業務が中心だったので、マーケティングのスペシャリストが非常に必要でした。我々が試行錯誤して行った施策に対してプロの意見をもらいたいという感じでしたね。
まじすけ株式会社を知ったきっかけは、2019年10月8日のデジタルガレージのアクセラレーションプログラムのデモデイでした。株式会社Lang-8(間地の前職)の語学学習アプリHiNativeがMAUを1,000万を超えた話が印象に残っていました。
そこから1週間後に、たまたま開いたスタートアップタイムズに間地さんの記事が載っていて「あれ?Lang-8のHiNativeのところじゃん。しかも元CMO?」と記事を読んだんですよ。
読み終えた後にまじすけ株式会社のHPをみて驚きましたね。スタートアップの海外マーケを支援してる会社があるんだと。
正直スタートアップの海外マーケができる会社は国内にほとんどないと思っています。スタートアップで海外マーケは難易度が高いです。0→1の施策を海外向けにやらないといけないから。
間地:
難易度鬼ですよね。
井口:
難易度鬼ですね。まあそこに挑戦してる我々もちょっと大概なんだけど。笑
それで我々が抱えていた課題とマッチすると思ってすぐに問い合わせしてみたという感じです。
間地:
まじすけ株式会社に期待していたことはなんでしょうか。
井口:
マーケティング代行とかマーケティングを生業にしてる人たちにありがちなのは、リスティング広告、SNS広告、デジタル広告などお金がかかる施策がベースなんですよ。
お金がかかる施策はサービスのステージ的には後ろの方で、私たちのように0から1にするフェーズの場合、どういったターゲットにどのような施策が刺ささるかを考えることが大切。要するに間地さんと我々で「仮説→検証→施策」の流れを一緒にやっていくことを期待していました。
間地:
一緒に働いてよかったと思うことを聞かせていただきたいです。
井口:
単純にめちゃめちゃよかったと思ってます。笑
間地:
ありがとうございます笑
井口:
大きく4つあって、
1つ目は、アイデア出しから仮説項目の洗い出し、そして検証から効果測定まで全てリーディングをしてくれたことです。
検証はクライアントに放りっぱなしって企業もある中で、「こういう風に進めていきましょう!」とリーディングしてくれるところは助かっています。確実に仮説検証のスピードとクオリティが上がりました。
2つ目は、スタートアップって社長のリソースがえげつなく足りなくなるんですが、うちの経営陣並みのマネジメント能力がめちゃくちゃよかったと思います。うちの事情に関係することなのであまり汎用性があることかはわからないですけど、すごい端的に言うとうちの社員が最大限に活用できています。
間地さんのように私の意図を汲み取って、それをうまく社員に伝達し目的と手段を明確にしてあげることで下の従業員やチームメンバーから間地さんが入ってやることが明確になったとの声が上がっています。
3つ目は、間地さんのパーソナリティですね。
これはうちの社員が言ってたんですけど、間地さんは自社サービスのことを”ウチ”っていってくれる。自分ごとで言ってくれてるっていうのが本当に嬉しくて。そう言った細かいところみんなみてるなっていうのと、そう言った対応をしてくれると信頼が上がりますね。
最後にマーケに関することではないかもしれませんが購入者の獲得意外にもアーティスト獲得の部分とか色々間地さんに入ってもらっています。そういう部分も助かっています。
特にうちのようなマーケットプレイスの場合、同時に二者を集めないといけない。デマンド側だけでなくアーティスト側の獲得の部分にも間地さんに入ってもらうことで施策もオペレーションもスムーズになりました。
購入数が5倍向上した施策内容
間地:
それにしてもSNSで絵が売れるようになって良かったです!
井口:
本当にそうですよ。
初めはアートが好きな人からの購入が多いと思い、サイト改善や作品数を増やすことだけに集中していました。ですが思ったほど売れる数は変わらなかったので、もう一度どんな作家が売れてるのかを間地さんと一緒に分析し直しました。
実際に売れてる作家さんはFacebookや自身のInstagramアカウントでTRiCERAのことを拡散しており、フォロワーの大小にかかわらず「そのアーティスト自身のファン」から購入されておりました。
間地さんはそれについて「購入者は絵を見て選ぶのではなくて、作家を見て選んでるのではないか」という仮説を立て、作家さんに「TRiCERAに出品してます」と自身のSNSで発信を強化してもらう施策をうちました。
その結果、見事に購入数が5倍上がりましたね。
これも間地さんがSNSの投稿からインサイトの分析をはじめ、仮説を立てたうえでうちの社員と一緒に検証までしてくれたおかげだと思っています。
間地:
まじすけ株式会社が「今後こうしたらいいんじゃないか」という点があればお願いします。
井口:
強いていうなら、うちで一緒に作ったような仮説検証のフレームワークをテンプレ化してサービスにするといいんじゃないですかね。会社によってはマーケ施策の進め方についてテンプレで欲しいみたいなところもあると思います。
グロースハック施策や広告戦略などジャンル別に分けてリストに書き込み、「じゃあこれやってみよう」とクライアントが選びやすいようにするのが面白いのではないかと思います。
間地:
最後に海外を狙う企業に一言お願いします。
井口:
狙って行って楽しいマーケットになるのは間違いないですし、市場を取れたら日本で頭抜けたサービスになれる。
ですが、全く甘くないです。
ユーザーインタビューするのも大変だし、日本でマーケティングを伸ばすよりも遥かに時間がかかる。自分で常に考え続けなければいけない。また、広告代理店に投げっぱなしになると成功は難しくなります。どういうターゲットでどういう層を取っていくのかを、マーケ担当者や創業者が考え抜かなければいけない。
ただこういった理由で海外マーケティングをできていない会社さんは多いので、ある意味ブルーオーシャン。投資をしていくのは正しいことだと思うし、間地さんみたいに経験がある人に入ってもらって進めていくのは確実にプラスになると思います。